私たちは、今、人類の歴史上重大な転換点にさしかかっています。世界が相互依存を強め、他からの影響を受けやすくなるにつれて、未来に大きな希望と同時に、また大きな危機を抱えています。特に、地球環境問題の深刻さは「子孫や生命を脅かす存在」として、私たちに大きく立ちはだかっているからです。

 この問題を考える場合、重要なことは、第一にあまりにも巨大すぎるテーマであるため、人々がたじろぎがちになることです。この無力感を転換させるポイントは「未来を子供たちのために」愛することを強くすることであります。そして、「一人の人間の真実は、万人の真実である」との確信にたって、人々の気持ちを勇気ある前向きなものに意識を変革することであります。

 また、私たちが未来に向かって前進するためには、世界の多様性に満ちた文化を尊重し、人類家族、地球共同体の一員であることを自覚することです。

私たち人類同胞に対する責任感と、慈愛の信念を共有するところに真の人類文化が開花するものと確信しています。

「行動の時至る」

 日本政府がニューヨーク国連本部へ「平和の鐘」を寄贈したあとをうけて地方自治体と共に私たちは、今日まで、微力ながら国連創設50周年記念に「生命の碧い星」砥部焼きの地球儀を国連欧州本部に寄贈してまいりました。これもひとえに世界の平和恒久と、地球環境の大切さを具体的に訴えたい思いからでありました。

 このたび、私たちは、さらに一歩をすすめ未来を担う青少年の手で「世界の小石」を集めて、私たちの小さな行動を多くの志を同じくする人々の行動をもって充実する方途として、その地球儀に奉納する企画を実現することといたしました。


1.
もの言わぬ小石が万感を込めて将来に語り伝えてくれるのです。石に不滅性を見た人類が、多くの神殿や記念碑を造ってきたのは、石に聖なるものを見たがゆえであり、礼拝の対象としたことも頷けます。また、賢者の石、哲学者の石ともいわれたのも、石の堅固な美徳と安定性、不動性から、信念の人、知恵の象徴とされたからであります。私たちは、このことから石(いし)は「意志」に通じ「人類の遺志」平和と文化を、世界共通の願いととらえて、地球意識を目覚めさすシンボルであると位置付けています。

2.
小石の収集と奉納をきっかけに、私たちは全国的な行動をさらに展開したいと思います。中学、高校、大学のレベルで基本的な世界の問題に取り組むボランティアの活動をすすめたいと切望しています。世界の明日に向けての貢献は、若い人々の奔放な考え方によって様々なものがあると思います。大切なことは、着想を暖め、充実し実行・実現することです。その結果を表彰し、他への参考とし、よりよい貢献が青少年活動の広い枠組みの中から強力なパターンに成長すれば、世界的顕彰に値するものとなるでしょう。

3.
私たちは「一人の人間の行為が正当であったかどうかは、それが地球と人類にどれだけ役立ったかによって評価する」との哲人の言葉を大切に、たとえ小さな行動であっても、その意志(石)の一歩が、万象の共感を呼ぶ磁石となれば幸いであります。

私たちは、地球市民として人類共和の世界を心から念願し、今回の企画に対する皆様各位のご支援とお力添えをお願い申し上げます。


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